市川春子 宝石の国で人気を博す生命をテーマにした深い漫画

市川春子漫画特徴

「あれ?何この絵、落書き…?」と思ってしまいそうな、明らかに描線と情報量が少ない漫画の絵。

「ハズレか…」とがっかりしながら読んでいると、深くて、生命について考えさせられる不思議なストーリーにいつの間にかどっぷりハマっている、市川春子(いちかわ はるこ)の漫画の紹介です。

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市川春子とは?

2006年「虫と歌」にてアフタヌーン四季賞2006年夏の四季大賞を受賞しデビュー。翌年から『月刊アフタヌーン』(講談社)において読み切り作品が数度に渡り掲載される。

2009年11月20日にそれらの読み切り作品を収めた短編集である初の単行本『虫と歌』が刊行、同書で第14回手塚治虫文化賞新生賞受賞。

市川春子の作品リスト

  • 『虫と歌 市川春子作品集』 講談社〈アフタヌーンKC〉
    • 2009年11月20日初版発行、
      • 収録作品 – 星の恋人/ヴァイオライト/日下兄妹/虫と歌/ひみつ
      • 装丁も自身で担当している。「ひみつ」は描き下ろしの短編作品。
      • 「日下兄妹」は年刊日本SF傑作選2009年度版「量子回廊」に収録された。
  • 『25時のバカンス 市川春子作品集(2)』講談社〈アフタヌーンKC〉
    • 2011年9月23日初版発行、
      • 収録作品 – 25時のバカンス/パンドラにて/月の葬式
  • 『宝石の国-1-』 講談社〈アフタヌーンKC〉2013年7月23日初版発行 「宝石の国」の続刊を刊行中。




市川春子の作風

市川春子の作風

切り離された指先を培養して妹を誕生させたり、雷が人の姿をとって現れたりと、SF要素や不可思議要素が毎回話に関わってくる。

「生命」をテーマにした作品が多く、難解で、答えがはっきりしない話が多いのも特徴。読者の想像に任せるといった部分が多い。

最小限の描線で構成された、あっさりした印象の絵が特徴。女性キャラのすらりと長い手足は健康的で性.的魅力がある、という意見もある。

まずは星の恋人で市川ワールドにハマろう…「虫と歌」

市川春子虫と歌

自分の指から生まれた妹への感情を綴る『星の恋人』。肩を壊した高校球児と成長を続ける“ヒナ”との交流が胸を打つ『日下兄妹』。飛行機事故で遭難した2人の交流を描く『ヴァイオライト』。そして、衝撃の四季大賞受賞作『虫と歌』。深くてフシギ、珠玉の4編を収録。

斬新。不思議。可愛い。笑える。切ない。えぐられる。
パラパラと読んだ感じではそれほど~…だったけど、「がっつり」読んでみるとぐいぐい引き込まれる。
何回も読み直したくなる。言葉や表情や空気が言わんとすることを探り出したくなる。なんというか既存のジャンルにあてはめられない。強いていうなら虫と歌そのものがジャンルのような感じ、おすすめです。

言葉にされない愛が空間に漂う…「25時のバカンス」

25時のバカンス市川春子

深海生物圏研究室に勤務する西 乙女は、休暇を取って久しぶりに弟の甲太郎と再会する。深夜25時の海辺にて乙女が甲太郎に見せたのは、貝に侵食された自分の姿だった。(『25時のバカンス』)土星の衛星に立地する「パンドラ女学院」の不良学生・ナナと奇妙な新入生との交流を描く。(『パンドラにて』)天才高校生が雪深い北の果てで、ひとりの男と共同生活を始める。(『月の葬式』)。

独特なタッチで描かれるSF短編集です。「宇宙」「新生物」にまつわるスケールの大きい世界観が舞台でありますが、各シーンではそれに比べると小さい、人間のやり取りや生死、世界での一現象が繊細に描かれています。
各シーンからは、世界観の全体像を捉えるのは難しいですが、何気ないキャラの動きやセリフに 意味が詰まっており、そこに注目することで、世界観に対する理解が深まっていく感じを味わえます。そして、どの話も、登場キャラが「死」に向かって行くと思いきや、最後は「生」の希望があるのは良いなぁと思いました。



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あまりに高品質すぎる百合(?)短編漫画…「パンドラにて」

25時のバカンス市川春子

舞台は地球を遠く離れ、宇宙。土星の衛星パンドラです。
そこはえりすぐりの女の子たちの学校があり、主人公となるのはその学校の問題児である二条さんと、彼女の前に突然現れたしゃべることのできない女の子です。

終始独特のミステリアスな空気があって、ときおりコメディチックになることはあっても、何とも言えない感覚を引きずります。そしてラストへと。

ちょっとだけ百合っぽさを匂わせるも、メイン2人を繋ぐのは恋でも、友情とも少し違うような。終盤の展開は意味わからなくてもなんだかとても心に響いて何度も読み返してしまいました。大勢の少女たちが踊る見開きページが好きです。

百合漫画愛好家のブログ管理人からすれば、本作はまぎれもなく百合漫画。それを匂わせる意図的な百合風描写が作品の至る部分に見受けられる。

百合とは?漫画やアニメに出てくる女子同士の淡い恋愛感情
女の子同士の恋愛一歩手前の関係や心情をリリカル・もしくは現実的な事情に合わせてリアルに描く百合(ゆり)の世界。百合分野が確立...

主人公としゃべれない女の子の間にはたしかな友情も描写されず、ましてや愛情も描かれていないのに、近年の百合作品の中でダントツの雰囲気の良さを感じる傑作。市川春子は百合漫画家でも何でもないのに、本職の百合漫画家達を軽々と上回るとは…。市川春子の漫画家としての潜在能力の高さを感じる作品。




各方面で絶賛中!ついに始まった長期連載…「宝石の国」

宝石の国市川春子

粉々になっても破片さえ集めれば再生する体を持つ「宝石」たちの物語。
自分達を装飾品にしようと襲いかかってくる「月人(つきじん)」との戦いに備えつつ、日々の役割を分担して暮らす彼ら28人。

その中に、月人との戦いに加わることを望みながらも、その身体の脆さと才の無さによって何の役割も与えられていなかったフォスフォフィライト――通称フォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から、博物誌を編む役割を与えられる。

ようやく与えられるも地味な仕事に、鬱憤を募らせるフォス。
そんな彼はある日、夜にたった独りで見回りをしている孤独な宝石・シンシャに出会う。

人のような姿をした不死の宝石生命体。その一人のフォスの仕事探し。宝石たちは不死のために自分の存在意義を求めていて、そのための仕事なのかもしれない。

あっさりした感じの絵柄だけれど、チカチカする宝石たちや、それを狙う天女のような姿をした月人たちの描写が綺麗。戦いの描写も静かな感じで不思議な雰囲気の作品。



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