岩明均…シンプルな絵にして訴求力の強さが特徴の寄生獣作者

岩明均漫画画風特徴解説寄生獣

情報量の少ないあっさりとした絵柄なのにストーリーの流れの中で心に強く訴えかけてくる、イラストではなく漫画として非常に上手い絵。ショッキングで残酷な内容が多くても、話を余さず伝えるにはそういう部分も不可欠。

「寄生獣」や「ヒストリエ」で漫画家の大御所としての地位を確立した、岩明均(いわあき ひとし)の紹介です。

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岩明均とは?

1985年、ちばてつや賞に入選した「ゴミの海」が『モーニングオープン増刊』(講談社)に掲載され、デビュー。主に『月刊アフタヌーン』などの講談社の雑誌で活動。代表作に『寄生獣』など。デビュー前は、上村一夫のアシスタントをしていた。学生時代には父の著書に挿絵を提供したこともある。

遅筆家であるらしく、基本的に複数の仕事を一度に進めることがない。アシスタントを用いないらしく、30年間の漫画家生活で他人に作画を手伝ってもらったのは僅か7日間とのこと(『ユリイカ』特集号のインタビューより)。

『寄生獣』で1993年に第17回講談社漫画賞一般部門、1996年に第27回星雲賞コミック部門、『ヒストリエ』で2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、2012年に第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。




岩明均の作風

岩明均漫画画風特徴解説寄生獣

哲学的でドラマティックなストーリーと台詞への評価が高い。 精緻な残虐描写も大きな特徴のひとつである。 近年は歴史に題材を取った作品が多い。 休載になることもしばしばで作品の量は多くなく、本人も自覚している。

絵柄・作風共に安定しており、ストーリーは「主人公が特異な力を手に入れ戸惑う」というものが多い。

岩明均の作品

岩明均漫画画風特徴解説

  • 風子のいる店(1985年 – 1988年、モーニング連載。1986年 – 1988年、モーニングKC、全4巻)
  • 骨の音(短編集。1990年、モーニングKC)
  • 寄生獣(1988年 – 1995年、モーニングオープン増刊→月刊アフタヌーン連載。1990年 – 1995年、アフタヌーンKC、全10巻|完全版、全8巻)
  • 七夕の国(1996年 – 1999年、ビッグコミックスピリッツ(小学館)連載。1997年 – 1999年、ビッグコミックス、全4巻)
  • 雪の峠・剣の舞(中編集。雪の峠:モーニング新マグナム増刊 1999年。剣の舞:ヤングチャンピオン(秋田書店) 2000年、KCDX、全1巻)
  • ヘウレーカ(2001年 – 2002年、ヤングアニマル嵐(白泉社)連載。2002年、ジェッツコミックス(白泉社)、全1巻)
  • ヒストリエ(2003年 – 、月刊アフタヌーン連載中。2004年 – 、アフタヌーンKC、既刊9巻)
  • ブラック・ジャック〜青き未来〜(脚本提供[3]。原作:手塚治虫、作画:中山昌亮、2011年 – 2012年、週刊少年チャンピオン(秋田書店))

生命は重いのか軽いのかを考える「寄生獣」

岩明均漫画画風特徴解説

謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生・新一の数奇な運命を描く。物語の構図は人間の頭に寄生して人間を食べる「寄生生物」側、最初は捕食されるがままであったが 後に反撃に転ずる「人間」側、そしてその中間者として存在する「新一とミギー」側という三者によって成立しているが、話の焦点は新一に置かれている。表題の「寄生獣」とは、劇中においては寄生生物の呼称ではなく、地球環境に害をなす人間を意味する単語として物語の終盤に登場する。人間がむごたらしく食い殺されるなど、過激な描写もある一方で、物語の軸には哲学的な主題があり、テーマ性の高さや、意外性のある劇的な展開、物語の世界観などが評価されて熱心なファンを獲得した。

ある日突然、空から人知れず多数の正体不明の生物が飛来する。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳を含めた頭部全体と置き換わる形で寄生して全身を支配し、超人的な戦闘能力で他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後の頭部はもはや人間の物ではないが、自在に変形して人間そっくりに擬態する。彼ら「パラサイト(寄生生物)」は高い学習能力で急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。

その日まで平凡な高校生であった泉新一は、1匹のパラサイトに襲撃されるが、間一髪で脳の乗っ取りだけは免れる。パラサイトは新一の右腕に寄生して同化し、右手にちなんで「ミギー」を名乗るようになり、新一とミギーの共生生活が始まる。

岩明均の作品中で最大の知名度を誇る傑作。圧倒的な面白さや、人間とは異質な思考のパラサイト達との交流に興味が惹かれる。生命や、人間の存在についてあれこれ考えさせられる哲学的な漫画。ミギーがかっこよくて可愛い。

ずば抜けた知能を生まれ持ち研究者としての側面をもつパラサイト・田宮良子や、複数のパラサイトを掌握して手足として操る最強のパラサイト・後藤さんなど、敵側に魅力的なキャラが多いのが特徴。



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歴史とSFが高度に融合…「七夕の国」

岩明均漫画画風特徴解説

七夕の国』(たなばたのくに)は、岩明均による超能力とミステリーを取り込んだ伝奇SF漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に、1996年第38号から1999年第6号にかけて不定期連載された。

大学サークル「新技能研究会」部長である南丸は、「あらゆるものに小さな穴を空ける」というあまり役に立たない超能力を持っている。彼の祖父も同じ能力を有していた。

ある時、大学の教授・丸神正美も似たような能力を持っていたことがわかる。それも、南丸の空けるアイスピックで刺したような小さなものではなく、卵ぐらいの大きさの穴がえぐりとられた様々なものが残されていた。

南丸家と丸神家のルーツである「丸神の里」と呼ばれている丸川町にて、不可思議な殺人事件が起きる。報道によれば、被害者の死体は、頭部の半分がま るで巨大なスプーンですくいとったように滑らかにえぐり取られていたという。自分の能力や失踪した丸神教授に関係があるのか、南丸はゼミのグループと共 に、調査のため丸神の里へと向かう。

全4巻と短いにも関わらず、異様に濃い漫画。歴史物からSF、ファンタジーまで、色々な作品ジャンルをまたいでいる。

「窓の外を見る」能力と「手が届く」能力など、あれこれ想像が膨らむSFホラー的な能力が登場。「本当のところはどうなの?」という最も気になる部分をあえて謎のままに終了させるなど、読了後もずっと心に残る作品。




「ヒストリエ」

岩明均漫画画風特徴解説

紀元前4世紀のギリシアやマケドニア王国・アケメネス朝ペルシアを舞台に、古代オリエント世界を描いた作品。マケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕えた書記官エウメネスの波乱の生涯を描いている。エウメネスはプルタルコスの『英雄伝』(対比列伝)などにも登場する実在の人物である。

エウメネスはギリシアの都市国家カルディアの名家の息子として育てられ、陰謀によって一時は奴.隷に身を落とすものの、時代の荒波に揉まれながらその才能を開花させていく。

作者がデビュー前から構想を温めていた作品である。2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞を、2012年に第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した。

休載しがちでファンをやきもきさせているが、傑作との呼び名が高い。ブログ管理人は未読なので何とも言えないが、以前に古本屋でヒストリエをパラパラと読んでみた時は、どのページから読んでもぐいぐいと話に引き込まれてしまう強烈な吸引力があった。

岩明均漫画画風特徴解説

岩明均の作品が好きならば、市川春子の漫画も生命について考えさせられる哲学的内容なので好きになれる可能性が高い。どちらの作家も、高品質で落ち着いた雰囲気の大人向け漫画が掲載される「月間アフタヌーン」の人気作家で、作品のベクトルは近い。

市川春子…宝石の国で人気を博す、生命をテーマにした深い漫画
「あれ?何この絵、落書き…?」と思ってしまいそうな、明らかに描線と情報量が少ない漫画の絵。 「ハズレか…」とがっかりし...


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