田中ロミオ…世間と相容れない少年少女を書く知的なライター

田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

大勢とは違った感性を持っているせいで集団に溶け込めない人達を書いたり、圧倒的知識量で知的な作品世界と文章を綴り上げる、たぐいまれな傑物ライター「田中ロミオ」。

以前はPCゲーム界でその名をとどろかせ、現在はライトノベルを執筆して人気を博している田中ロミオの紹介です。

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田中ロミオとは?

田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

ライトノベル作家、及びPC用ノベルゲームを主としたシナリオライター。2003年から現在の名義で活動している。

『CROSS†CHANNEL』や『ユメミルクスリ』などに見られるように、世間や周囲と距離をとる生き方をする者、もしくはそうせざるをえない者が不器用ながらも誰かを思いやりながら生きていく姿を、コメディやSFを取り入れながら、時にシニカルに、時に暖かく書いているものが多い。

また、多くの作品にSF要素や、幻覚や夢から来る『現実的なファンタジー描写』が見られるのも特徴。

その独特の哲学的シナリオとニッチなギャグで一部のユーザーから狂信的な人気を誇り、業界内での評価も高い。

奈須きのこ、タカヒロ、るーすぼーい、藤原将などの人気シナリオライター達がファンであることを公言している。

奈須きのこ…魅力的な伝奇世界が愛されるFateや月姫の作家
同人ゲームとしては完全に規格外のシナリオの質とボリュームで伝説になった「月姫」でまず名前を上げ、次に初の商業作品「Fate/...

他に、田中ロミオと力量が似た業界屈指の実力派ライターは

虚淵玄や

虚淵玄 重くてシビアな話が得意のまどかやファントムの作家
PC用美少女ゲーム界に「燃えゲー」という新ジャンルを興し、革命を起こしてしまった有名ライターの虚淵玄(うろぶち げん)。彼の...

星空めておなど。

星空めてお 箱庭のような魅力的な世界を作る独創系ライター
PCゲーム界出身で、現在各方面で活躍している有名人といえば「Fate/Stay Night」で知られるTYPE-MOONの奈...

近年は『人類は衰退しました』シリーズを執筆しライトノベルでも活躍中。




田中ロミオの有名な仕事

田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

PCゲーム

  • CROSS†CHANNEL(FlyingShine)
  • 神樹の館(Meteor、共著)
  • 隣り妻(CALIGULA、シナリオ監修)
  • 最果てのイマ(ザウス)
  • ユメミルクスリ(ruf、企画)
  • 雪影-setsuei-(Silver Bullet、企画原案)
  • おたく☆まっしぐら(銀時計)
  • Rewrite(Key、共著)
  • Rewrite Harvest festa!(Key、共著)

ライトノベル

  • 『人類は衰退しました』シリーズ、小学館ガガガ文庫、挿絵:山﨑透・戸部淑、2007年 – 2014年
  • 『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』、小学館ガガガ文庫、挿絵:mebae、2008年
  • 『灼熱の小早川さん』、小学館ガガガ文庫、挿絵:西邑、2011年
  • 『田中ロミオの世相を斬らない』シリーズ(上下巻)、フロンティアワークス、表紙絵:しのづかあつと、本文絵:むとうけいじ、P-TEN BUNKO、2013年 – 2015年
  • 『犬と魔法のファンタジー』、小学館ガガガ文庫、挿絵:えびら、2015年

なお、田中ロミオは「山田一」という名義でも活動していた。

山田一(やまだ はじめ)名義でのPCゲームシナリオ執筆

  • 加奈〜いもうと〜
  • 星空☆ぷらねっと
  • 家族計画
  • 家族計画~そしてまた家族計画を~
  • ドーターメーカー
  • ドーターメーカー2
  • 黒の図書館
  • ピアノ~紅楼館の令嬢達~

歪みからそれぞれ孤立する登場人物達「CROSS†CHANNEL」

田中ロミオ山田一シナリオ文章小説CROSS†CHANNEL

主人公の黒須太一は、群青学院の放送部に所属し、そこで得た仲間たちとの楽しい時を送っていた。しかし、ともに時間を過ごす中、それぞれ心に歪みを抱えたメンバーたちの間には亀裂が生まれ、あるときを境にそれは決定的な破綻となり、「放送部」は断絶してしまう。

太一が起死回生を賭けて臨んだ合宿も失敗に終わり、心中がバラバラの状態で街に帰還する放送部メンバー。しかし、そんな彼らを迎えたのは、生物の存在が消え、常軌を逸して静かになった街だった。

「世界で8人だけの人類」になるという異常な状況下で、それぞれの歪みを顕にし始める部活メンバー。バラバラの心中はそのまま彼らを迷走させ、もはや部活などできる状態ではなく、唯一部長の宮澄見里だけが夏休みの課題であるラジオ放送用のアンテナを組み立てる活動を行っている状態であった。

PCゲームライター時代の田中ロミオの出世作にして代表作の1つ。それぞれに異なった歪みを抱えたメンバー同士の対立と交流と和解は多くのプレイヤーに絶大な感動を与えた。完成された「自己」を持つが故に他者とのコミュニケーション能力に問題がある、機械的でエゴイストな「理性の怪物」の支倉曜子が好き。

家族としての愛を育むシナリオが泣ける「家族計画」

家族計画田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

天涯孤独の主人公、リストラ中年、中国人の密.入国者、家出娘、自.殺願望の女性など、社会から冷たくされる者たちが擬似家族を作り、各々の過酷な運命から互いに身を守っていく姿を描いた作品である。

同じく山田一が手がけた『加奈 〜いもうと〜』『星空☆ぷらねっと』と並んで、D.O.社内で「社会派タイトル」と呼ばれていた作品である。

本作の発売後、様々な家庭用ゲーム機などに追加要素を加えられて移植された。



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田中ロミオが山田一名義で文章を執筆した作品。それぞれが抱える「社会になじめない理由」ゆえにキャラ同士で孤立と対立を深めながらも、家族の愛と人との繋がりを求める登場人物たちの感動的なシナリオは本作の熱烈なファンと、多数の田中ロミオ信者を作り出すに至った。準が拒食症を克服するシナリオが好き。

弱さゆえの美しさという新視点を発見する「ユメミルクスリ」

ユメミルクスリ田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

何事もそつなくこなし、勉強も遊びもバイトもそれなりに…。楽しくないわけじゃないけれど、なんとなく退屈な日常を送っていた主人公・加々見公平。

ある時、彼は3人の風変わりな少女たちと出会う。

いずれ劣らぬ変わり者ぞろい。

「彼女たちと関わってはならない。“普通”の日常を続けたいのなら」。

彼の本能は、そう警告するのだが…。

田中ロミオが企画し、別人が文章を書いた作品。日常でのいじめや、弱さゆえに集団になじめない女の子などをテーマにした凡庸なシナリオ設定ながらも、心の琴線に触れるストーリーで非常に心に残る良い作品。白木あえかとシットシー・ねこ子のシナリオが大好き。「とある魔術の禁書目録シリーズ」のイラストレーターで知られるはいむらきよたかと、田中ロミオが組んでいるという、知られざる豪華コラボゲームであるのも見所。

ばつぐんに上手い文章と館に囚われる雰囲気「神樹の館」

神樹の館田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

主人公・工月秋成は大学生であり、卒業論文に必要な資料を探していた。大学の友人である四ツ谷麻子は、山奥にひっそりと立つ「神樹の館」という洋館 を工月に紹介し、2人でそこへ赴くことになった。神樹の館にたどり着いた2人は、館をひとり管理するメイドの知里紫織に迎えられ、案内された書庫で資料を 探し始める。館の住人は紫織の他に3人いた。双子の少女、斎(いつき)と伊美(いみ)と姿を現さない館の主人である。

主人公と麻子は館に滞在することを決めるが、後に麻子は行方不明となってしまう。主人公は住人達に館に留まるよう説得される。2人は無事に館を出られるのだろうか。

まず文章が圧倒的に上手く、それに加えて、物語の舞台である館の「神樹の館」の閉鎖的でどこか安息を覚える雰囲気が秀逸。定期的にプレイし直して神樹の館の独特の雰囲気を味わい直したくなる、中毒じみた魅力をもつ怪作にして傑作。田中ロミオのインテリ具合がのぞく、様々な雑学がちりばめられた文章が楽しい。

個人のもつ聖域を問う哲学的シナリオ「最果てのイマ」

最果てのイマ田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

シナリオライターである田中ロミオによる哲学的な内容と、読み手を選ぶニッチなギャグがテキスト面での特徴となっている。また、ゲームをクリアした後も内容についての謎が数多く残り、その解釈について非常に考えさせられる内容となっている。

幼いころ「施設」で育った主人公の貴宮忍は、現在姉の千鳥と共に生活している。友人のいなかった忍は、同じように友人のいない、心に様々な問題を 抱えている者たちを集めて7人の仲間を作った。彼らは放課後になると、毎日のように町はずれの工場跡である「聖域」に集まるのであった。7人は陰湿ないじめや旧家の因習といった困難を乗り越えてきたが、過去の手は今もなお彼らに伸びてくる。忍は仲間たちを守り抜こうとして奔走する。

超インテリゲーム。学術系の広範な知識(特に情報分野)が無いと、本作を十二分に堪能することはできない。また、まるでパズルのピースように断片的になった異常に難解なシナリオも本作の特徴。クリア後の考察作業はほぼ必須。

哲学的テーマ、人がまばらな黄昏れた作品世界や、それにマッチしたどこかもの悲しい作中雰囲気や人間関係など、オリジナリティーあふれる傑作で、ブログ管理人が最も好きな田中ロミオ作品。ネット上では本作は「田中ロミオ頭良すぎワロタwwww」などと評価されている。




毒のあるユーモアと独創的な世界「人類は衰退しました」

人類は衰退しました田中ロミオ山田一シナリオ文章小説

パロディ・オマージュが随所にちりばめられ、一見「癒し系」のストーリーの中に作者独特のブラックユーモアを潜めた作品となっている。9巻にて助手さんの本名と主人公の名のみが判明する以外、徹底した固有名詞の排除が特徴的である。このライトノベルがすごい!2007年17位、SFが読みたい!ベストSF2007 国内編15位、第46回星雲賞ノミネート、第1回大学読書人大賞受賞。2012年7月から9月までテレビアニメが放送された。

人類が物質文明の哀れな末路を辿り始めて早数世紀、人類よりも遥かに高度な文明を持つ新たな人類、「妖精さん」が存在した。「わたし」は祖父の仕事を継ぐために調停官となり、妖精さんと旧人類との間を取り持つ役目を負うこととなる。そんな中、町では奇妙な出来事が起こり始める。

10代の学生が買うことが多いライトノベルということで、童話調の簡単で親しみやすい語り口になっている(しかしシナリオは皮肉たっぷりのブラックユーモアが多々で、難解なSF要素が混ざることも多い)。田中ロミオの本気を少年少女向けにあえてグレードダウンした作品、という印象。実は性格の悪いわたしちゃんが可愛い。



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