若者に限らず、全世代で「戦わなければ勝ち取れない」というのは共通しています。気力も体力も十分で、特に失う物も無くてやり直しも効く若者世代こそどんどん挑戦してどんどん勝ち取るべきなのに、近年の日本の若者が失敗を恐れすぎて尻込みばかり…というのは有名です。
若者が失敗を恐れすぎていることの原因を調査したので、報告します。
若者が失敗と挑戦を恐れすぎている理由の4つの仮説
将来への不安感から冒険を忌避している説
生まれてからずっと経済成長が低迷しているゆとり世代・さとり世代が、日本に明るい未来を期待する事がそもそもできるはずがない。子どもの頃から将来を不安に感じているせいでおのずと保守的な考え方が身に付いてしまい、そのせいで挑戦と努力を避けるようになってしまったとする説。
インターネットの普及でリスクに敏感すぎる説
今の時代、手元のスマホはネットに常時接続状態で、いつでもどこでも好きな情報をネットで検索できる。日本の就職事情で定番となっている新卒至上主義や、格差社会問題などの、挑戦を否定する事実がどんどん目に飛び込んでくる。ネット上には夢あふれるような情報よりも、「それはやめとけ」というネガティブな情報の方が圧倒的に多いので、そのネガティブ情報に毒され続けて挑戦と努力ができなくなってしまっているとする説。
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すでにある程度満たされているのでわざわざ挑戦する意欲が湧かない説
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生まれた時から小綺麗な家や便利な家電や美味しい食事に囲まれて育ってきた若者世代は、すでにある程度恵まれた境遇にある。そのせいで、がつがつした気持ちや欲が起こらずに、「今の生活で別に満足しているし…」と淡泊な性格に育っているとする説。
同世代の間で努力や失敗がかっこ悪いという認識が共有されていて挑戦できない説
「頑張る事が恥ずかしい」というおかしな恥の意識が若者間で共有されている。この理由は、「会社員なんて社畜なのに頑張ったって意味が無い」とか「才能のある人が成功するのであって、努力する事は才能が無い事の証明になってしまうので避ける」といった考えが背景にあるようだ。
若者が努力と挑戦に否定的な事を表すデータ
若者の3割が「努力は報われない」
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- 20代~30代の若者の回答で、「努力しても報われない」が約3割に上った
- 日本の将来・経済には楽観的な考えをもっているが、その反面、自分自身の生活は変わらず努力も報われない、という若者心理が本調査で浮き彫りになった
2013年10月から12月にかけて回答調査し、情報・システム研究機構「統計数理研究所」が発表した「日本人の国民性調査」より
「日本は一度失敗すれば終了」という強い思い
2012年のノーベル生理学・医学賞に決まった山中伸哉教授の「成功するために、失敗をたくさんした方が良い」という趣旨のエールに、一部のネットユーザー達の反発が起こった。
- 若い間に、いっぱい失敗と挫折をして下さい。1回成功するためには9回失敗しないといけない
- ジャンプしようと思ったら、一度かがんで姿勢を低くしないと跳べない
ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」での発言
- 日本は1度失敗したらもうダメという社会。安易に失敗を勧めるな
- 社会に、失敗を許容する空気が無い
- たくさん失敗してもその後に成功できるのは、山中教授みたいな才能豊かな人だけ
- 日本は受験・就活を1発で成功させないと、もう失敗の人生という国
- 失敗して正規レールから外れたら、派遣・フリーター・ニートになる
- ノーベル賞を取るほどの人だから、世間とは感覚がだいぶはく離している
- 自分で勝手に「1度失敗したら終了」と決めつけている
- 何もしていないせいで失敗、やる前から挫折しているなんて論外
- 山中教授の話は、試行錯誤した失敗をいくつも重ねるのならいつかは成功できる、ってこと。成功するために、意味のある失敗を重ねた方が良いってことだろう
外野から見た、若者の失敗恐怖現象
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- 若者が失敗を恐れているというよりも、「挑戦することを周囲に笑われる」のを恐れているような感じがする
- ほとんどの事柄に失敗の前例がある。そして現代では、失敗の前例をネットで検索することが可能。そのせいで「調べれば回避できるはずなのに、それでも失敗するなんて無能すぎ」って笑われる風潮ができている。結果として、挑戦ができない心理状態になる
- 「絶望」とか「希望」みたいな極端なマイナスか極端なプラスの感情とは無縁の、「諦めている」「めんどくさい」って感情に支配されているイメージ
- 今は、小学生の将来の夢に公務員が上位入りする時代
- 現実的にはリスクを恐れて逃げ回っているだけなのに、それを、「今の時代、失敗したら終了ですから。慎重派で、ネットで色々検索して世の中を良く分かっている俺ってかっこいい」って美化してるんだよな
- 「無駄にプライドが高い」っていう側面が確実にある。失敗しても謝りたくない・努力しているのを周りに笑われたくない、って感じの、ダメな種類のプライド
- 今の若者は「親がバブル世代で割とお金を持っている」「兄弟が少ない」という生育条件だから、けっこう裕福に育ってきている。結果、成功に対するハングリー精神が無い
- バブル時代にみんなが欲しがった快楽・華やかさ・欲は、今の若者は求めていない。彼らが求めているのは、安心・安定・妥協した幸福感みたいなもの
- 昭和みたいな、文化が今よりも未熟で「誰もやったことのない分野」のような商機がたくさんあった時代なら、成功のハードルが低かった。でも今は何もかもが手垢がついていてごく一部の天才以外には成功しようがない状況
- 昔の人は挑戦事に果敢というよりも無鉄砲、といった方が正しい。結果的には、少数の成功者と大量の失敗者が生み出される。今の時代はネットで事前にリスクを知ることができるから、みんなおびえて挑戦できない。それじゃ成功者がほぼゼロの状況だから、昔の方が良い時代だったかもしれない
- 格差社会化で努力が報われにくい社会になりつつあるから、それをネットで知ってしまったりしたら、やる気も無くなるだろうな
- 成功者には、完全に無根拠な自信を支えにして前へ進んで成功したという人が珍しくない。成功者のように大きなリスクを取れとまでは言わないけれど、若者は持たざる者なんだから根拠のない自信をもって掴みに行かないと何も得られない
コメント
自分が想うに…
足るを識る
適正な自己評価
この2つが為されている傾向があるのではないかな?
まぁ…失礼な言い方ですけど、頑張っても報われない若者は一定数いますよ、確実に
なぜ他の人にない特別な権力とか財力を持たないといけないのか分からない
当たり前のようにこれらを持つことが成功だって思い込んでる人いるけどそれは違う そもそも特別大きな家も車も子どもも欲しくない(税金かかるし)
ある程度のものが割と簡単に手に入る世の中で頑張る意味がないっていうのがあるのかもしれない
努力はしても報われないから仕方ない 周りの理想が高すぎて自分の結果が成功って言えない