香魚子…伯爵と妖精作者で、繊細な絵柄と文学的な少女漫画家

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香魚子魅力

 

普通の(もしくはちょっとイケてない)女の子が、美少年やイケメンと恋をするのが少女漫画の王道。

少女漫画とはそういうワンパターンの漫画分野とばかり勘違いしていました。

少女漫画家・香魚子(あゆこ)の漫画は、普通の少女漫画とはひと味違う。恋愛の漫画もしっかりと描きつつ、夢に向かう自己実現にともなう苦痛や他者に理解されない苦しみ、同性の友達とのすれ違いなど、妙に文学的で心に残る作品が多い。絵も繊細で本当に美しい。

漫画家・香魚子の作品の魅力を解説します。

 

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漫画家・香魚子の真価は「高品質な短編漫画」にある

香魚子

 

香魚子の漫画はもともと、文学的・短編小説的なストーリーと雰囲気を備えているので、その作風を存分に活かせる、「短い話で起承転結がはっきりしている、短編漫画」が特に魅力的です。

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「さよなら私たち」

 

表題作の「さよなら私たち」の短編漫画が特に秀逸なストーリーです。

漫画家・香魚子の魅力の真骨頂とも言われる「女の子同士の、いびつな友情」をダイレクトに描いた、死後の幽霊少女達の漫画です。

二人の女の子が死んでしまった理由が解き明かされた後、物語のラストのシーンがとても綺麗に締めくくられています。

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「隣の彼方」

隣の彼方香魚子

 

この単行本でも、表題作の「隣の彼方」の短編漫画が特に好きです。


幼なじみで、昔は仲が良かった男の子と、今では距離と壁が生まれてしまっている状況からお話がスタートします。



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ただのベタな恋愛モノではなく、ストーリー全体に恋愛味が薄くて、「幼なじみの関係の崩壊と、その後の緩やかな再生」というものを話のテーマにしているのが好きです。

ネット上では、この単行本に収録されているフルカラー短編漫画「ノストラダムスと榊くん」の人気が高いようです。

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「もう卵は殺さない」

もう卵は殺さない香魚子

 

この単行本でも、またまた表題作の「もう卵は殺さない」の短編漫画が特に好きです。

香魚子の漫画の中で、この「もう卵は殺さない」の短編漫画が一番好きです。

 

もう卵は殺さない

 

漫画作中での「主人公斡旋所」にいる、黒髪ロング+セーラー服という古風ないでたちの美少女は、物語の主人公にして、誰にもストーリーを買われずに「主人公斡旋所」の中でずっと売れ残っている、架空の存在。そんな売れ残りの彼女がどのような結末を迎えるか、というお話の短編漫画です。

漫画や小説などの創作に関わった人なら誰でもぶつかる、「自分の書きたいものと売れるものは違う」という壁がテーマになっている作品で、お話の構成がとても良くできていて、ストーリーも感動的なものに仕上がっています。

 

 

この単行本の中に収録されている短編漫画「亘理くんとふれたなら」が好評を博し、登場人物とストーリー内容を引き継いだ連載作品「きみとユリイカ」として、香魚子に描かれています。

「きみとユリイカ」は、平凡な女子高生の麻衣と、北欧帰りの天才少年・亘理(わたり)が、突然同居を始めるというストーリー。

 

短編集「もう卵は殺さない」の中での「亘理くんとふれたなら」

もう卵は殺さない

 




ネット上の、香魚子への評価

香魚子とは解説
 

女の子同士の、ゆがんだ友情を描く事が多い。
ゆがんでいるからみんなの共感は得にくいかも知れないけれど、
特定層には、そのいびつな友情がもの凄く受ける。

 

女の子キャラの絵が凄く可愛い。
でも、話は暗い。
明るさが求められる少女漫画よりも、ビターさが受ける青年漫画の方が適任では?

 

暗い話が多いのが香魚子の特徴。

 

百合モノを描いて欲しい。
香魚子の漫画と百合は親和性が高そうで、ぜひ見てみたい。

 

 

 

人間の心の深部・暗い部分を、
不思議ファンタジーのお話で表現するのが上手い。

 

「さよなら私たち」
は、ストーリー的には青年誌のそれに近い。
「隣の彼方」
も青年誌で普通に通用する。
香魚子は、もしかしたら青年誌の方が活躍できるかもだけれど、
あえて少女漫画誌の中で大人っぽい作風、というのが異端で魅力的でもある。

 

香魚子の描く、
中高生女子の揺れ動く感情・憎悪とか嫉妬とか絶望みたいな汚い感情の表現がすごく魅力的。

少女漫画家で、こういう芸当ができる人は稀少だから、これからも頑張って欲しい。

 

「女の子が泣いている絵」が本当に綺麗で素敵。

 

香魚子の真骨頂は
「女の子同士の、いびつでドロドロとした友情モノ」。

 

香魚子の長編漫画

シトラス

シトラス香魚子

 

将来、ピアノ教室を開くのが夢の主人公・志保が、転校生で美少女の奈七美に影響を受けて変わっていくお話。

青春の甘酸っぱいストーリー内容が素敵です。

 

 

うぬぼれハーツクライ

うぬぼれハーツクライ

 

可愛いのに、理想が高くてうぬぼれ屋のゆりが、やっと自分に釣り合う美男子を見つけるも、軽くあしらわれて相手にされない…。じたばたとあがくゆりが面白くて、良い作品です。

 

 

伯爵と妖精

伯爵と妖精香魚子

 

人気ライトノベルを、香魚子が漫画化した長編漫画です。

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妖精が見える女の子・リディアが、妖精博士の看板を掲げて修行中に、宝剣をめぐる事件に巻き込まれてしまうファンタジー作品。

 

 

魔法使いの心友

 

目立たず、良い子でいる女の子・楠そよと、魔界から何かの目的によってやってきた魔女・リサとの不思議な友情の物語。リサとの交流で、普通の女の子だったそよが変わっていきます。

 







香魚子の漫画の作風は、どこか文学的

さよなら私たち香魚子

 

「Us,you and me」は小説家志望の女の子が、漫画家志望の女の子の絵の良さに気づき、仲良くなるお話の短編漫画。

それぞれに得意なストーリーと作画を担当して2人で漫画を作り、商業誌デビューして順調に成功していくが、成功に浮かれる漫画家志望の女の子に小説家志望の女の子が幻滅。

やがて二人の間にはすれ違いが生まれ始める…。

読了後に胸にもやもやしたものが残る、考えさせられる作品が多いです。

(「Us,you and me」は、短編集「さよなら私たち」に収録されています)

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